ある休日

 パンを切らしていたので朝食は外で食べることした。近所のデニーズに行くつもりで車を進める途中、右折するのが面倒になり直進して少し離れた左車線側のロイヤルホストへ変更。スクランブルエッグの朝食セット。読みさしの「津軽」を読もうとしたが、頭に入らず数ページ文字を追っただけで諦めた。店の雰囲気と本の内容が合っていなかったんだと思う。ロイヤルホストに合う本は一体何だろう。

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 そのまま病院へ。待合室は混んでいて、ざわざわとした病的な空気が漂っていた。毛玉だらけのジャージで俯く人、付き添いと話し込む人、看護師が患者を探す声、繰り返される「体温は正常です」。呼ばれる。診察室は台風の目のように静かで、近況を話しながらいつもの薬を処方してもらう。


 10:30に帰宅。着替えてジョギングに出る。腰を痛める前に申し込んでいたハーフマラソン大会が再来週に迫り、2週間ほど前からそろりそろりと走り始めている。薬のおかげか腰の調子も良く、息を上げながらも13km走れた。走りながら「腰の痛みを薬で抑えつつ、こんな苦しい思いをして、果たしてこれが健康に良いのだろうか」などと考えていた。おおよそのスポーツは実は健康に良くないんじゃないかと考えている。マラトンの戦いで、戦果を伝えるため42km走ったギリシャ軍の戦士は、走り終えたあと死んだ話を思い出した。

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 家に戻り着替えてキックのジムへ。疲れていたので休んでも良かったのだけど、今日を逃すとしばらく行けそうになかったので重たい足を引きずりながら向かった。月一万円も払っているのだからなんとしても元を取りたい。強くなりたいとか痩せたいとかより、もったいない気持ちの方が強い。かといって退会する勇気もない。
 ジムには先日試合を終えた選手たちが来ていた。勝った選手、負けた選手それぞれ。勝った選手には「おめでとう」と言えば良いけれど、負けた選手にはどんな言葉をかけるべきか分からず、不自然に試合の話を避けて世間話をした。おそらく向こうにも不自然さは伝わっていたと思う。

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 ジム帰りにスーパーで夕飯を買う。鍋にしようと思って野菜と豚バラ、水餃子など。うどんが一玉38円なのが目にとまり、食べきれないかもと不安になりながらカゴに入れた。帰宅。キムチの素を使ってキムチ鍋。しめのうどんは作ったものの結局食べ切れず、食器に移して冷蔵庫にしまった。ここ最近、空腹度と食べられる量のバランスが変わった。確実に老化が進んでいる。

 仕事から帰ってきた家の人は、仕事のイライラの余韻を纏っていて話の節々に怒りが混じっていた。部屋で藤岡みなみさんの「パンダのうんこはいい匂い」を読んで寝た。